- 2013-01-14 (Mon) 16:45
- Illustration , Diary , Work
プリンストンさんのモニターキャンペーンでJotTouchをお借りしていたので、レビューをまとめてみます。JotTouch自体はかなり良い感触ですが、第三世代iPadでは、スペックやカラー管理が印刷用の絵には厳しいかな…という感触。
iPadから出力した元データ、大きすぎてブログに上がらなかったので、pixivにupしてます。すみません…。>旅人さんひとやすみ
作画環境等
- iPad:第三世代
- スタイラス:Jot Touch
- 使用ツール:Procreate
全体的な印象
ツールの補助は必須ですが、塗りでは実用できるレベル。感知の癖をツールで吸収していく感じ。線画は厳しい。そのあたり全体的に、wacomの筆圧感知1024階調時代のタブレット、特にcintiqの12インチモデルと感触が似てます(膝の上で絵を描いたり、板自体をまわしたり)。
アニメ塗りのような、線画主体の絵よりも、厚塗り系の絵柄の方が相性がいいとおもう。
JotTouch自体が液晶保護フィルムを削ってしまうこと、印刷用にはiPad自体のスペックが不足な事の2点が懸案。
良い所
・色塗りには実用レベル。絵柄との相性がかなりあるが、iPadを既に持っており、発表する媒体がweb中心の人にとっては、液晶タブレットの代替品になりうる(ただし、あくまで代替品)。
・電池の持ちが良い。一回充電すれば、1日きちんともってくれる印象。ちょっと出歩く分には十分足りる。
悪い点
・液晶保護フィルムを削りまくる。傷が入るだけならまだいい方で、ペンの先端のチップに削りカスがたまるレベル…。うちで貼っているフィルムと相性が悪いのだと思うが、表面に何も貼らずに使っている人にはお勧めしづらい。バリ取りしたら直るのかなあ。Jot Touchの機能的に、これは改善されてほしい点でした。
・これはiPadやアプリ側の問題かも知れないのですが、電源を入れてもアプリやiPadがなかなか認識してくれない。bluetoothってこういうものなのかな…(Jot TouchがはじめてのBluetooth機器だった)
・綺麗な線画を描くのは厳しい。画面のドットの密度との兼ね合いで、入力誤差が大きいため、二本の線を一本にまとめるのに時間がかかる感じ。筆圧感知自体にも癖があるため、線質についてもくせが出る。ペン線には弱いが、鉛筆風の線画とは相性がいいとおもう。
そのほかの懸案
・iPadのスペックが足りない。カラー管理と、多分メモリ等のデータ処理上のスペック。
カラー管理については、カラープロファイルが埋め込まれていないため、どれか探すのに時間がかかった。(iPad上はsRGBなのかな?)。
メモリは特に深刻で、第三世代iPadでは、retinaサイズ(1536*2048)+Procreateで、レイヤー3~4枚目から筆圧感知の処理が間に合わなくなるレベル。他の人が「力を入れないと認識しない」と言っているのはこれが原因だと思う。また、頻繫にアプリを起動しなおして、メモリを開放しないと、レイヤー枚数を減らしていても同様の症状が発生する。
雑感
もし液晶タブレットの代わりにiPadとJot Touchを買おうという人がいるのであれば、よほど用途や絵柄が絞り込まれている人でない限り、現状のiPadのスペックのままでは、ちょっとお勧めは出来ないです。
ただ、趣味でスケッチをしたり、ラフや出先で仕事の絵の下絵を、ということであれば、十二分なレベル。仕事用に一から十まで作るには、絵柄との相性次第、という感じ。自分にとってはカラー管理が厳しいので、ラフどまりかなと。
線画については他のツールやアナログ+カメラ撮影を併用するか(ただし、レイヤーを多用する描き方には今のところ向かない)、今後コミスタやClip Studio Paintのような、補正+ベクター吸着付きのツールが出ると化けるな、と思いました。
あと、スタイラス使って絵を描いている人の間では常識なんだろうと思いますが、うっかり手で誤動作させる事があるので、スタイラスを持っている手の下に、何か取り回しのしやすい、やわらかい布をひいておくと良いようでした。
amazonさん
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